(まだ工事中)小生のまいぺーすぶろぐ

2022年の馬券回収率は101%でした。

【競馬理論】関係者のコメント(4)・・・厩務員

厩舎関係者のコメントの信頼度の最終回です。
今回は「厩務員」です。
 
厩務員とは、担当の馬を持ち、その馬(といっても複数頭)に関する、調教以外の部分で、担当馬の身の回りの世話、例えば飼い葉、寝わらの交換、厩舎内の掃除、馬体の洗浄、日常の一切の世話をする人のことです。
そのため、競走馬にとっては親同然の存在です。逆に、厩務員にとっては、競走馬は子供同然の存在です。
 
人間でも、子供が運動会に出て徒競争をするということになれば、我が子かわいさで自分の子供をひいき目で見てしまうのは、ある意味当然です。
同じように、厩務員も我が子同然の競走馬をひいき目に見てしまうでしょう。
そういった意味では、たいてい競馬関係者の中では厩務員が最も強気なコメントをすることが多いです。
従って、厩務員のコメントは多少割り引いて見た方が良いでしょう。
 
但し、厩務員にしか発見できない走る予兆や体調の良否についてのコメントが聞ける場合もあります。
「今まで食が細かったが、ここにきて飼葉を良く食べるようになり、筋肉が付いた」
「調子の良い時に見せる、うるささが戻って来た」
などのプラスのコメントや、
「最近妙におとなしくて元気がない」
「目の縁が黒っぽい。夏負けの兆候かな」
などのマイナスのコメントなどが挙げられます。
 
しかし上記のようなコメントも実際に競走にどのように影響するかは未知数です。
「妙におとなしい」というのは気性の成長で、いままで引っかかってしょうがなかった馬が、自分のテンションを制御できるようになり、それがプラスに働く可能性もあります。
その逆に「うるささが戻って来た」のは実は何らかのストレスによるもので、レースで抑えが利かず暴走する危険も考えられます。
だから、厩務員からの情報は受け取り方によって、全く逆のどちらにも解釈できることになります。
 
いずれにせよ、厩務員は担当馬の調子の良し悪しに関する「縦の情報」は持っていますが、他馬との比較などの「横の情報」はあまりあてにしない方が良いでしょう。
 
何だか厩務員の方にひどい書き方をしているようですが、これはあくまで予想の際のファクターとしての話であって、競馬の根本を支えているのは毎日毎日競走馬の一番近くで働いている厩務員さんに他なりません。
「腕利きの厩務員」という言葉があるように、1人の厩務員さんが何頭もの名馬を誕生させることがありますが、これは厩務員の良し悪しで競走馬の能力が大きく左右されることを証明しています。
競走馬と厩務員の信頼関係は、そのまま馬と人との信頼関係に繋がってきます。
皐月賞・ダービー・JC・有馬記念を制したトウカイテイオーは、好調の時パドックで厩務員に甘えるような仕草を見せる馬でしたが、これは人と馬との信頼関係があればこそで、実際にクセの少ない、騎手の指示にも従順な名馬でした。