(まだ工事中)小生のまいぺーすぶろぐ

2022年の馬券回収率は101%でした。

秋華賞2020レビュー

デアリングタクトが無敗の三冠を達成した秋華賞について振り返っておきます。

 

<馬場>

前日の降雨の影響でやや時計のかかる馬場。前日から降雨の中競馬が行われていたことで馬場内側が荒れており、道中・直線ともに外を通った馬が有利だった。内枠の馬には若干厳しい馬場状態だった。なおこの日は午前中と午後でも馬場傾向が若干変わっており、午前中は内を通った馬の上位入線もあったが、好天で馬場が一気に乾いた午後は外一辺倒となった。個人的に都合で午前中の馬場しか確認できなかったのが悔やまれる。

 

<展開>

この馬場で1000m通過59.4秒はハイペースと言って良い。外有利な馬場も相まって、外差し馬に有利な展開。戦前は逃げ馬不在でスローペースが予想されたが、案に相違して先行馬には厳しい流れになった。

 

1着 デアリングタクト

若干出遅れ気味のスタート。後方の外寄りから競馬を進める。折り合いはしっかり付いていた。3コーナー付近から馬なりで上がって行き、直線は馬場の良い外へ。そのまましっかり最後まで伸びて、堂々の三冠達成。横綱相撲と言って良い。外差しが利く馬場、ペースが上がったこともこの馬に有利に働いた。なお勝ち時計の2分0秒6は7レースの1勝クラス2分1秒4よりも0.8秒速いだけであり、2勝クラスよりちょっと速い程度の時計と考えられレースレベルには若干の疑問符がつく。従ってこの馬が現時点で牡馬に交じって古馬GⅠレベルで活躍できるかどうかは個人的には若干疑問視。

 

2着 マジックキャッスル

道中は中団やや後方、デアリングタクトの内側を進む。4コーナーでは若干仕掛けを待たれ、デアリングタクトを先に行かせてデアリングタクトの後を追うように伸びてきた。直線はデアリングタクトのちょうど内から伸びて2着。もともと末脚鋭い馬で、展開が向いた面もあるにせよ、実力を発揮した。距離には融通が利きそうなので、今後も展開次第で牝馬重賞などで期待できる。

 

3着 ソフトフルート

出遅れ。道中も最後方から。4コーナーも一番外を回る。非常にロスの多い競馬に見えたが、この日の馬場、展開がマッチしたこともあり3着に。この馬が3着にきたことが、このレースの馬場、展開を物語っていると言える。とはいえ2勝クラスを快勝したようにもともと力のある馬だし、もう少し器用な競馬もできる馬。牝馬重賞なら今後も。

 

4着 パラスアテナ

後方から。あまり手ごたえがいいようには見えなかったが、4コーナーでまくって行き直線は外、ソフトフルートの1頭内側から伸びる。ソフトフルートよりも馬体全体は前に行っていたように見えたが、首の上げ下げのタイミングで無念の4着。展開が向いたこともあるが、力は出せたと思う。この馬も牝馬重賞などで活躍が期待される。

 

5着 ミスニューヨーク

好スタートから中団につける。3、4コーナーで馬群に包まれ、次々に後続の馬にまくって行かれ、置かれる。その後伸びてはいるが、5着まで。3,4コーナーがスムーズならもう少し前との差は詰まっていた可能性は高い。こういう馬場も合っていたと思う。条件が合えば重賞レベルでもやれると思う。

 

6着 オーマイダーリン

やや出遅れ気味のスタート。道中は後方から。3,4コーナーでデアリングタクトの外側からまくる。この日の馬場、展開が向いたこともあり、直線そこそこ伸びて6着。現状の力は出せたと思う。ここ2走はうまく乗られた感じで、今後も重賞レベルでやれるかは現時点では何とも。

 

7着 マルターズディオサ

好スタートから、内枠でもあり逃げる形になった。1000m通過59.4秒はこの馬場ではやや速かったと思う。直線も良く頑張っているが、最後は後続に一気に交わされる。先行馬に厳しい馬場、展開を考えれば健闘したと言っていい。自分で競馬を作れる馬なので、このレース結果に関係なく今後も期待できる。

 

9着 ウインマイティー

やや出遅れ。道中は終始内からじりじり順位を上げる。直線はあまり伸びきれず。もともと切れる馬ではないので、もう少し前の位置取りが欲しかったことと、やはりこの日の馬場では内枠も災いして馬場内側追走でスタミナをロスし、直線も外に出し切れなかったことは大きかったと思う。休み明けの紫苑Sで接戦した馬がここで2,4,5着に入っていることからもこれが実力とは考えにくい。但し2戦連続で出遅れるなど父ゴールドシップ譲りのノンビリした面が出てきている感じもあるため、もう少し長い距離の方が持ち味を生かせる可能性もある。

 

12着 リアアメリ

5番手付近を先行。スムーズな競馬に見えたが、4コーナーでは余力がなく外に出せずまくってくる馬にかぶされる形に。直線も伸びず、失速。もともときれいな走りをする馬で渋った馬場は得意ではない馬なので、この日の馬場は厳しかった。またペース的にも先行勢には厳しかった。このレースで評価を落とす必要はないが、それなりに乾いてきた馬場での凡走からするとやはりパンパンの良馬場でこその馬と言えそう。

 

14着 ミヤマザクラ

3番手付近の内側を先行。直線も最内を通ったが全く伸びず。内側が悪い馬場、先行馬に厳しい展開とこの馬には最悪と言って良い条件だった。加えてプラス20kgの馬体重もやはり重かったと思う。競馬がうまい馬なので今後も期待したいところだが、ここ3走のGⅠレースでは底力、瞬発力ともに足りていない印象もあり今後重賞レベルでの活躍には若干の成長が必要かもしれない。

 

15着 ウインマリリン

2番手を先行も、直線は全く伸びず。ここではやはりペースと内枠伸びない馬場が影響したと考えられる。今回初めての長距離輸送でもあり、そうした面も影響したか。オークスの走りからこれが実力とは考えにくいので、巻き返しに期待したい。

 

16着 サンクテュエール

中団やや前よりの追走。悪くない手ごたえに見えたが、4コーナーでバテたホウオウピースフルの直後におり、馬群が密集していたため下がってきた同馬を避けきれず一緒に下がる形に。直線ではかなり後方に下がってしまい、もはや勝負圏外になってしまった。着順的には大敗の形だが、ここはレースにならなかったためまったく度外視して良い。

 

17着 クラヴァシュドール

中団内側を追走。直線ではイチかバチか内に突っ込む。あまり脚が続かないものの一瞬の脚には見どころがあり、桜花賞で見せたように荒れた馬場は苦にしない同馬の特性を踏まえた騎乗と考えられる。それなりに伸びているように見えたが、残り150m付近でデムーロ騎手が手綱を引いて止める。現在の情報では躓いたためとのこと。この馬もここは度外視できる。

 

ちなみに、秋華賞の1レース前の大原ステークスで秋華賞を除外されたレイパパレがほぼ馬なりで快勝しました。馬場を考えれば1800m1分46秒3のタイムはかなり優秀で、手元ソフトの計算ではもし秋華賞に出走していたら2分0秒4で走破する、との結果が出ました。もちろん机上の計算ではありますが、秋華賞優勝に相当します。

そうした意味でもレイパパレの除外は非常に残念でした。

レイパパレは十分に重賞レベルの実力があると考えられ、今後も注目したい一頭です。