(まだ工事中)小生のまいぺーすぶろぐ

2022年の馬券回収率は101%でした。

【競馬理論】馬の年齢(その2)

今日は重賞もなく、また買い物でほぼ一日出かけていたこともあり、久々に土曜競馬はお休みでした。
予想を見に来て頂いた方、失礼致しました。
 
さて、前回は「競走馬は4歳秋~5歳秋でピークを迎える」という話をしたかと思います。
今回は、最近それに当てはまらない事例が増えてきていることについて検討します。
 
先週の高松宮杯は7歳(但しキンシャサノキセキは南半球生まれなので、事実上は6歳)、6歳での決着、土曜日の日経賞は7歳、9歳の決着でした。
また、8歳のカンパニーが昨年末天皇賞秋、マイルCSを連勝したのも記憶に新しいところです。
これをどう考えたらいいでしょうか。
 
一般に、競走馬は年齢を重ねるごとに、気性的な面は成長し、レースで無駄な力を使わなくなります。
そのため、絶対的な体力、特にスピードは年齢とともに衰えて行くことが多いですが、気性の成長が多少それをカバーします。
また絶対的な能力は多少年齢とともに落ちたとしても、手前の変え方がうまくなったり、苦手だったコースでもうまく走れるようになり、能力の低下をカバーします。
先週のビービーガルダンは左回りが苦手で、昨年は直線で手前を変えられず大敗しましたが、今年はうまく走ってハナ差2着に来ることができたのは上記の良い例でしょう。
 
但し、このあたりは前から言われていたことで、特段目新しい話ではありません。
では、昔と何が違うのでしょうか。
小生は、以下の3つと考えています。
①調教設備の改良及び調教技術の向上
②競馬場のコース整備技術の発達
③レース体系の整備
 
①調教設備の発達ですが、ほんの20年前までは調教設備と言ったらダートコースと芝コース。
それが全てでした。
ところが、今はウッドチップコース、坂路、プール、最近はポリトラックコースも整備されました。
これによって馬の脚に負担をかけずに、強い調教ができるようになりました。
それにより、調教中の故障が減り、馬が長く活躍できるようになったこと、またこれまで故障して引退するよりなかった脚元の弱い馬でも復帰が可能になりレースに使えるようになったことなどが高齢馬活躍の要因として挙げられます。
また、外厩制度が普及・発達し、以前よりも多くの競走馬を管理することができるようになったため、高齢馬が玉突き的に引退に追い込まれることも減りました。
そして施設とともにそれをうまく使う調教技術の発達も見逃せません。
今でこそ普通になりましたが、3頭による併せ馬調教など、馬のメンタル面を鍛える調教も増えました。
 
このように調教によって、休み明けでレースを使わなくても、かなりの部分を調教により仕上げることが可能となったので、無駄な出走も減り、消耗も減りました。
また、馬の素質プラス調教による鍛錬で馬の能力が決まってくると思いますが、調教技術の発達によって、以前よりも調教による鍛錬によるプラスアルファが大きくなったとも言えます。
調教による鍛錬は長く受けるほどより効果を発揮しやすいので、能力のピークが以前よりも遅く到来する一因となります。
 
②については、特に芝コースの造園技術が格段に上がり、一昔前はG1でもなかなかお目にかかれなかった上がり3F33秒台という時計が新馬戦でも見られるようになりました。それとともに、あまりスタミナというか、底力が昔ほど重要ではなくなり、馬の消耗が少なくなったことも、長寿化の要因と思われます。
 
また、③レース体系の整備ですが、20年前は基本的に芝の中~長距離のレースが中心で、マイル以下の重賞は少なかったように思います。さらに、ダートにはG1どころか、フェブラリーハンデと根岸Sという、2つのG3しか重賞がないという有様でした。
このようなレース体系だと、本来短距離やダートが得意な馬でも芝の長距離志向とならざるをえず、適性外のレースを使われることによる馬のダメージが大きくなってしまいます。
 
しかし今は短距離路線、ダート路線も整備され、適性外のレースを使われることによるダメージは少なくなり、適当な条件のレースを繰り返し使われることにより、特定の条件を非常に得意とする「スペシャリスト」タイプの高齢馬も増えました。
 
このように、高齢馬が活躍しやすい環境が整い、実際高齢馬が大活躍しています。
従って高齢馬だからと言って、安易に軽視することはできなくなりました。
では、馬券的にはどのように考えれば良いのでしょうか。
これについて、次回に検討して行きたいと思います。