チャンピオンズカップを振り返っておこうと思います。
＜馬場＞
晴天続きで乾いたダート。やや時計のかかる状態で、後方から一気に差し切るのは難しく、4コーナーまでにある程度の位置につけておく必要がある馬場。
＜展開＞
エアアルマスにインティが競りかけ、前半1000ｍは60.3秒となり若干ハイペース。但し後方一気が決まりやすいほどのハイペースではなく、極端に後方から外を回る競馬でなければどの馬にもチャンスがあるが、底力を問われる展開となった。
＜レースレベル＞
乾いたダートだったこともあり昨年よりは時計はかかったが、ここ5年で2番目に速い時計であり、例年と比べても水準以上のレベルだったと言える。
＜各馬寸評＞
1着 チュウワウィザード
道中はほぼ中団。ハイペースでもありやや追走にてこずっている印象であまり手ごたえは良く見えなかった。クリソベリルがすぐ前方にいたこともあり、同馬から離されずついて行く競馬となっ。直線はクリソベリルの外に出し、そのまま止まらずゴールまで伸びて優勝。もともと力のある馬で、昨年も不利があっての4着でもあり力を出せればこれくらい走れて不思議ない馬。今後も特に左回りを中心にトップレベルでの走りが期待できる。
2着 ゴールドドリーム
道中はやや後方。内側で脚を貯め、直線だけうまく外に出す競馬。ほぼ理想的な競馬ができたと思うが、差し届かず2着。まだまだやれるところは見せた。但し勝ち馬には上り３Fのタイムでも負けており、理想的な競馬で突き放されたのは昨年あたりに比べると衰えているということなのかもしれない。
3着 インティ
好スタートから逃げたかったように見えたが、エアアルマスが譲らず競り合うような形で2番手から。昨年よりも速いペースで厳しかったと思うが、3着に粘った。ここのところ調子が上がらないように見えたが、復調を見せた。2番手からでも良い競馬ができたことは収穫で、今後も引き続き期待できる。
4着 クリソベリル
あまり良いスタートではなかった。スタート直後は外枠でもあり、また内側の各馬がほぼ同じようなスピードで並走したこともありなかなか内に入れなかった。１～2コーナーでも若干行きたがる感じがあった。それでも良い手応えで直線に向き、そこから伸びるかに見えたが前のインティをとらえきれず、後方のチュウワウィザードに交わされ4着。川田騎手が戦前、戦後示唆したように若干体調が伴っていなかったことが最大の要因だと思うが、その他にも外枠でロスがあったこと、前半引っかかったことなど複合的な要因で敗れたのではないかと思う。但しこの一戦で直ちに評価を下げる必要はないと思う。
5着 モズアスコット
後方から。３～４コーナーでも積極的に位置を上げず、ロスを極力排しスタミナを温存して直線だけにかける競馬。良く伸びて5着に入ったがこのレベルでは前も止まらず5着まで。これまで1800ｍでは芝でも実績がなかっただけに若干距離は長かったと思うが、掛かることもなく運び良い競馬ができたことは今後の選択肢を広げたと言える。
6着 カフェファラオ
ほぼ中団から。4コーナーで馬群外を回り追い上げる正攻法の競馬だったが、あまり伸びず。勝ちに行く強気の競馬だったが少なくとも現時点ではこの競馬ではこの相手に実力が足りなかったということだと思う。3歳でもあり、今後の成長待ち。
7着 エアスピネル
後方内を進み、直線でも外に出さず内を突くロスを極力排した競馬。良く伸びているが7着まで。ほぼ理想的な競馬ができているだけに、上位とは実力差だろう。
8着 タイムフライヤー
中団の最内を進み、直線ちょっとだけ外に出す競馬。ほぼ理想的な競馬ができているが伸びなかった。現時点での実力差だと思う。
9着 アルクトス
中団やや前方から。直線も一瞬伸びかかったが、前は交わせず、最後は後方の馬にも一気に交わされ9着。どちらかというともう少し脚抜きの良いダートの方が良さそうであり、また距離も１ハロン長かったか。道中の手応えは良かっただけに適距離で引き続き期待したい。
10着 エアアルマス
好スタートからハナへ。砂を被ると極端にひるむところもあるため、インティが競りかけてきても譲らず。しかし結果的にずっと競られることとなり、厳しい展開となった。またもう少し脚抜きの良い馬場のほうが良さそう。
11着 クリンチャー
スタートは悪くなかったが、1コーナーの入りでチュウワウィザードに前に入られ下がってしまい、位置取りを悪くした。内枠でもあり位置取りもなかなか押し上げられず、直線では後方から。直線でも何かに驚いたのか余力がなかったのか左右にヨレる感じとなり、伸びず。決め手に欠ける馬だけに前走のように出鞭を入れてでも前に行ったほうが良かったのかもしれない。力はあると思うが、乗り方が難しい馬。
12着 サンライズノヴァ
ほぼ最後方からの競馬。直線外に出されるが、既にちょっと前とは離れすぎていた感じ。またあまり伸びもなかった。１ハロン長いことと、どちらかというと脚抜きの良い馬場の方が合う馬なので、乾いた馬場で伸びを欠いたか。
