(まだ工事中)小生のまいぺーすぶろぐ

2022年の馬券回収率は101%でした。

【競馬理論】走破タイムとペース

前回、走破タイムを大きく左右する要素として、①当日の馬場状態 ②ペース・展開 ③競馬場の形状
の3つがあることまで記述しました。
前回は①について説明しましたので、今回は②ペース・展開について説明します。

1000m、1200mといった短距離戦では途中でペースが緩むことはほとんどないですが、距離が長くなるにつれ、レースによりペースの緩急が走破タイムに影響します。
つまり、能力的には2000mを2分00秒0で走れる馬でも、当然のことながらペースが遅ければ、
実際のレースでは2000mを2分02秒0というタイムになることもあります。

但し、ペースが遅く、そのため走破タイムは遅くなりますが、これと反比例する数値があります。
それが「上がり3F(3ハロン)の走破タイム(ゴールから逆算して、最後の600mを何秒で走ったか)」です。
通常競走馬が最も優秀なタイムで走れるのは、レースを通じて平均ペースで走破した場合と思われます。
しかし、スローペースの場合は、タイムが遅くなる一方、前半で溜めた力を直線で爆発させることができるので、上がり3Fの走破タイムは速くなります。
非常にざっくりとした試算ですが、全体の走破タイムがその馬の最大能力より1秒遅い場合、上がり3Fはこれに反比例し、約1秒速くなると考えていいでしょう。
逆言すれば、あるレースでの2000mの走破タイムが2分01秒0、上がり3Fは35秒0の場合、その馬は平均ペースでレースがなれた場合は2分00秒0で走る能力があると考えて良いということになります。

なお、ペースが遅ければ遅いほど、上がり3Fのタイムは速くなりますが、あまりにペースが遅い場合は走破タイムと上がり3Fの反比例の関係は弱くなります。
例えば2000mの走破タイムが2分05秒0とかなり遅いタイムになったからといって、上がり3Fが31秒などにはならないということです。当然、馬の瞬発力にも限界がありますので・・・

また極端なハイペースで飛ばした馬は後半にバテるので、やはりベストパフォーマンスを発揮することができなくなります。
今年の皐月賞が良い例で、ペースが相当に速かったため、先行馬は総崩れとなり、後方から追い込んできた馬が上位を占めました。

蛇足ですが、一般的にスローペースになればなるほど、まだしも平均ペースに近い走りができる逃げ・先行馬が、またはスタミナはないが、瞬発力のある馬が有利になります。
つまり、スローペースで流れたレースは必ずしも1番強い馬ではない馬が勝つ確率が高まります。
これは勝ちタイムが遅くなることによって、そのタイムで走破できる馬が増えるためです。

また、スローペースでの瞬発力勝負に強い馬、逆に瞬発力はないが、スピードの持続力に優れている馬など、その馬の特性によって、好勝負できる条件が変わります。
従って、勝負するレースのペースが速くなりそうか否か、またその条件に適合する馬はどの馬かを見極める必要があります。

次回は競馬場の特性による走破タイムの変化について記述します。