神戸新聞杯を振り返っておきます。
＜馬場＞
前日は非常に速い時計で推移したが、この日も速めとはいえ前日より時計を要していた。内から４，５頭目くらいを通るのが良さそうな馬場ながら、逃げ粘る馬、外を通って追い込む馬も見られ逃げ差しほぼ互角の馬場。
＜展開＞
1000ｍ通過59.9秒で淀みないペース。直線が長く坂がある中京コースとしては若干前に厳しいペースながら、高速馬場を考慮すると外からの差しもそう容易ではなく、ほぼどの馬も力を出し切れるペースだったと言える。
1着 コントレイル
好スタートから中団内を追走。１～２コーナーでは若干引っかかり気味も、すぐに落ち着く。直線は1頭分空いたスペースに素早く潜り込み、馬なりで先頭へ。直線は若干仕掛けられた程度で、ほぼ流して楽勝。予想通りの快勝と言って良い。時計面は速めの馬場を考えるとそう優秀ではないが、ほとんど馬なりで勝っており、やはりこの世代では力が抜けている。本番菊花賞の3000ｍは厳密にはやや適性距離よりも長いと思われるが、能力の絶対差が違いすぎるので三冠の可能性濃厚。
2着 ヴェルトライゼンデ
スタートでやや出遅れる。大外枠でもあり、好ポジションが取れず後方から競馬を進める。直線でも最後方近く、正味直線だけの競馬。脚を貯められたとは言えメンバー中1番の脚で2着に突っ込む。骨折・熱発開けでかなり後方からの苦しい競馬で2着に来たのは非常に強い内容。ホープフルS2着、ダービー3着が伊達ではないところを見せた。折り合いに心配のない馬ながら、脚の回転が速く父ドリームジャーニー同様中距離での瞬発力身上の馬に見えるので距離延長が歓迎とは言えないと思うが、コントレイル以外では世代では上位の能力があるのでそれでどこまでやれるか。
3着 ロバートソンキー
中団やや後方の内目で脚を貯める。初距離も折り合いは完璧。4コーナーでも動かず、コントレイルの抜けた後を縫って馬群を抜け出すロスのない騎乗。あわや2着かと思われたが、最後はヴェルトライゼンデに交わされる。好騎乗に助けられた面はあったが、1勝馬の身で大健闘と言える。折り合いには問題がなく、比較的ストライドも広いので距離延長はそう問題なさそうで、キャリアも浅いのでまだ成長の余地もあり、菊花賞本番でも意外に侮れない馬だと思う。
4着 ディープボンド
好スタートから3番手を追走。ペースが速かったこともあり道中あまり余裕のない感じの追走で、4コーナーも手ごたえは今一つ。直線もしぶとく粘ってはいる。ペースがやや速めだったこともあり、先行したこの馬には若干厳しい競馬だったと思う。非常にゆったりしたストライドで走る馬なので距離延長は明らかにプラスと思われ、一叩きの効果も期待できるので本番では上位を狙える1頭だと思う。
5着 ターキッシュパレス
中団から。折り合いはしっかり付いていた。直線ヴェルトライゼンデの内から併せ馬のような形で良く伸びる。外目を回ってよく伸びており、着順なりの評価はして良いと思う。
6着 エンデュミオン
中団やや前目から正攻法の競馬。バテているという感じではないが、前は交わせず、後方からは交わされた。今日のところはこのメンバーでは決め手不足というところではないだろうか。距離はもう少し長くても良さそう。
7着 レクセランス
スタートで挟まれ気味になり後方から。同流では内を進み、脚は貯められていた。直線は内へ。ロスのない競馬となったこともあり、7着に。春は不器用で外を回る競馬しかできない印象だったが、馬群を捌けたのは前進。決め手は今一つでGⅠレベルでどうこうという感じではないが、バテない感じの馬なのでどこか中～長距離重賞でチャンスがありそう。
11着 ビターエンダー
好スタートから先行し、逃げ馬の直後の内を追走。ロスのない競馬だと思ったが、直線は伸びず。やや厳しいペースだったことも影響はしたと思うが、左回り得意でもう少し走れそうな気がしただけに若干意外な大敗。このレベルに入ると足りないのかもしれないが、距離がやや長かった可能性もあり、2000ｍ以下で再度期待したい。
13着 シンボ
スタートから押していき先行する意思を見せるも、先行できず中団から。もともと非常にズブい感じの馬で道中も押しての追走。直線もあまり伸びず。2600ｍで実績を残してきた馬だけに、今回は相手関係もさることながらやや距離が短かったか。菊花賞は出られなさそうだが、長距離戦に出走があればまた期待したい馬。
17着 グランデマーレ
長期休養明けながらスムーズに先行。しかし直線では反応せず後退。さすがに２歳以来の一戦では辛かったと思う。競馬のセンスは良いので、復調を願いたい。
18着 マイラプソディ
鼻出血で大敗。ここは度外視したい。3コーナーまでの感じは悪くなく、復調すれば古馬相手の重賞でもそこそこやれるのではないかと思う。
