(まだ工事中)小生のまいぺーすぶろぐ

2022年の馬券回収率は101%でした。

菊花賞レビュー(回顧)

何と言ってもオルフェーヴルの強さが目立った競馬でしたが、是体的に振り返っておきたいと思います。
 
今年の勝ちタイム3分2秒8は2006年菊花賞、ソングオブウィンドのレコード3分2秒7にコンマ1秒差の好タイムでした。
ちなみに2006年もメイショウサムソンが三冠をかけて臨んだレースでした。
 
2006年のレコードは前半のハイペースが原因だったと思いますが、今年は前半が速かったというよりも、全体的にずっと流れが緩まなかった珍しい年だったと思います。
 
200mごとのラップを見ると、何と今年の菊花賞は13秒台のラップが一度もありませんでした。
過去10年、菊花賞の全レースで、どこかで13秒台のラップが出ています。
それ以前は見ていませんが、勝ちタイムから考えておそらくどのレースでも13秒台が出ていると思います。
今年は最も遅いところで12秒9。しかしこれを挟む前後200mのラップはともに12秒1で、12秒9を刻んだところは2周目の坂の上りにかかるところでした。
おそらく上り坂の分力を要したという感じで、馬、騎手にとって流れが緩んだという感覚はなかったと思います。
 
従って、今年の菊花賞は展開のアヤがほとんどなく、ほぼ純粋に実力通りの結果になったのではないかと思います。
 
折り合いに難があるといわれたオルフェーヴルにとっては多少追い風になったと思います。
スタート直後こそやや引っ掛かっていましたが、その後はスムーズ。
向こう正面で外に出す、京都長距離レースの王道を行く騎乗。
この速い流れを3コーナーからまくり気味に上がって行き、直線入り口ではもう先頭に並んでいました。
後はこの馬の持ち味である瞬発力を爆発させるだけ。
最後は流してこのタイムなので、まともに追っていたらレコードになっていたでしょう。
誰が見ても文句のない、内容的にも圧勝での三冠となりました。
さすがにこの距離、この時計で走ってかなり消耗したと思うので、JC、有馬記念に出てきた場合は、やや反動が心配されます。
ファンとしてはより多くのレースに参戦してもらいたい気持ちはありますが、年内は休養させてあげた方が馬にはいいかも知れません。
あのディープインパクトの国内唯一の敗戦も、菊花賞後の有馬記念でした。
 
2着にウィンバリアシオン。
安藤騎手が「オルフェーヴルは外を回るだろうから、勝機があるなら内で立ち回るしかないと思った」と語る通り、最後方に下げ、3コーナー付近から馬込みに入れて行く競馬でした。
ただ今の京都は馬場内側の状態がいいこともあり、内に馬が密集していて3~4コーナーで意外にポジションを挙げられなかったのは誤算でしょう。
直線に入ったところでオルフェーヴルとは決定的な差がついてしまっていました。
直線はうまく捌いて来たと思いますが、メンバー中1番の上がり3F34秒3の脚を使ってようやく2着。
オルフェーヴルの勝ち方を見る限り、どう乗っても負かすのは難しかったように思います。
むしろ最後方から勝ち馬を除く16頭をゴボウ抜きにしたことを評価すべきでしょう。
 
3着に小生の本命、トーセンラー
最内枠なので内にこだわる競馬をするのかなと思いましたが、蛯名騎手は向こう正面で外に出し、オルフェーヴルの直後を追ってまともに勝ちに出る策を採りました。
結果オルフェーヴルに突き放され、ウィンバリアシオンにも抜かれて3着でした。
外を回って勝ちに出る競馬をした分、2着を逃した感じですが、これは仕方ないでしょう。
結局内もごちゃついていたので、内を通っても詰まっていたかもしれませんので。。。
内容的にはウィンバリアシオンと同等の評価をしていいように思います。
 
4着に伏兵ハーバーコマンド。
中位やや前に付け、徐々にポジションを上げて行き、最後まで良く粘っていました。
一旦は2着があるかなという内容で、底力を見せました。
一気の距離延長、相手強化での健闘なので、長距離があっていたということでしょう。
今後の活躍が期待されます。
 
有力馬の中では前で競馬を進めていました。
折り合いに課題のある馬なので距離がどうかと思いましたが、ペースが速かったこともあってそこそこ折り合っていました。
直線も早々に勝ち馬に交わされて厳しい競馬だったと思いますが、良く粘っています。
ただ、本質的には2000m前後の距離があっているのではないかと思います。
 
6着に後方から差して来たゴッドマスタング
直線でややごちゃつくところもあったようですが、この相手で6着は立派です。
この馬も長い距離が合っていたということでしょう。
 
ちょうど真ん中あたりからの競馬でしたが、やや力んだ感じの走りでした。
直線は外に出されてそこそこ伸びてはいますが、7着まで。
現状ではもう少し短めの1800m~2200mくらいが守備範囲ではないかと思います。
 
後方から4コーナーで外を回って追い上げ、直線も大外へ持ち出されました。
しかし直線に入ってからはあまり伸びませんでした。
武豊騎手はもう少し短い距離の方がいいのではというコメントをしている通り、この馬も2000m前後の距離が良さそうです。
 
その他では5番人気のフレールジャックが10着。
スタート直後からまともに引っ掛かって、先頭へ。
この速い流れの演出者となりました。
3コーナー付近で後続に交わされ、普通なら最下位コースですが、10着は健闘と言って良いと思います。
とは言え、ひどく引っ掛かったのは事実で、現状ではもう少し短い距離の方が向いていそうです。
 
若葉S勝ち馬のダノンミルは16着。
ずっと引っ掛かり通しのような状態でした。
3,4コーナーで一瞬反応して外から追い上げるかのように見えましたが、結局全く伸びず。
2000mか、それ以下位の距離が良さそうです。
 
ダービー3着のベルシャザールは3,4コーナーで見せ場を作りましたが、結局17着。
前半引っ掛かったこともありますが、ノド鳴りのある馬で、この距離ではさすがに厳しい感じでした。
セントライト記念ではそこそこに走っているので、距離を短縮すれば走れるのかもしれませんが、ノド鳴りがある限りちょっと手を出し辛い馬になってしまったように思います。
 
オルフェーヴル一色の菊花賞でした。
最後になってしまいましたが、池添騎手の落ち着いた騎乗も光りました。
スプリンターズSカレンチャンもそうですが、馬のことを良く理解し、馬の能力を信じ切って、自分は馬の邪魔をしない、という自然体が奏功しているように思います。
今後もオルフェーヴルと池添騎手のコンビから目が離せません。